特集記事

福山地方の卸売企業

2024年2月28日

卸売業とは、各種メーカーから商品を仕入れ、お店などの小売業者へ販売する事業のことです。福山市・府中市には、「繊維・衣服」「機械器具」「建築材料」など卸売を行っている企業が多数存在します。小売業者を顧客とするBtoB(Business to Business)形態のため、私たち一般消費者からは馴染みが薄いかもしれませんが、福山地方のものづくりや雇用を支えています。 今回は従業員を多く抱える2社に話を聞き、業務内容や社内の雰囲気などを紹介します。

目次

アタックベース株式会社(福山市曙町)/ワークウェア・作業用品製造卸および小売り

 アタックベース株式会社は、卸売業と直営店「アタック」で小売販売もしている企業のため、知っている人も多いのでは?
 作業服を中心とした作業用品の卸売・小売を展開する会社として1981年に設立。福山本社のほか、全国に支店2ヶ所と直営店18ヶ所を構え、現在は従業員180人を抱えています。
 自社でワークウェアの商品を企画・製造委託し、全国の納入代理店・ホームセンター・ワークショップなどへ販売する卸売業を行っています。ワークウェアの商品企画は、働く人々のことを考え、機能性・快適さを追求した商品作りを意識。一般的なワークウェアはもちろんのこと、充電バッテリーを搭載した商品で、夏は空調風神服・水冷ベスト、秋冬はヒートベスト・ヒートグローブなども取り扱っています。今後は、単に作業の時にだけ着る服ではなく、スポーツ・アウトドアなどさまざまなシーンで活躍する商品の企画や販売も計画していくそうです。
 そして、卸売業とあわせて、直営店の作業服ショップ「アタック」では、自社で企画した商品などを販売する小売業も行っています。
 企業の行動指針は、「Challenge To The Innovation」。何事にもチャレンジできる企業風土をめざし、従業員1人1人が毎年「チャレンジ項目」を決めて取り組んでいます。その中から、ペーパーレス化などの成果も出ています。女性の活躍できる職場づくりや、ノー残業デーの設定など、ワークライフバランスの向上にも力を入れています。

株式会社栄工社(福山市南町)/機械器具卸売業

 工場を併せ持った技術商社として、ものづくり企業のサポートをしている株式会社栄工社。ものづくりの現場で必要となる機械や装置に必要な制御パーツを提供する商社部門、機械や装置を動かす制御ユニットを設計製作する製造部門、そして働く人の環境を整える空調部門の3分野を展開しています。
 商社部門が卸売業にあたり、センサーやモータ、ロボットなど国内外1200社以上の制御機器メーカーの商品を取り扱っています。栄工社のクライアントは、印刷機械や食品機械、半導体や液晶製造装置など機械や装置を作っているものづくり企業なので、取扱商品を普段皆さんが直接目にする機会はあまりないかもしれません。けれど、その機械が作った液晶パネルがTVやパソコンになったり、機械で印刷した広告を見かけたりするなど、身の回りの身近なものとして届いていることを感じられるのではないでしょうか。
 ものづくり企業の課題は人手不足と原材料・人件費などの高騰ですが、「技術を人と社会のために」を掲げ、商品・技術を駆使してクライアントとともに、これからも課題に取り組んでいきます。
 また、働く環境づくりにも力を入れています。普段の業務の中で気が付いた事を提案する改善提案活動が活発に行われ、製造部門では毎月100件以上の提案が寄せられます。研修・教育制度も充実しており、テクニカルスキルだけでなく、ビジネススキルの向上もめざせる制度を構築。男女ともに育休取得の実績があり、ライフスタイルに応じた働き方をサポートしています。